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  イタリアの店員
こちらをご覧の方はもうご存じかもしれませんが、私も店員やってました。 べつにこの仕事を好んでやっていたわけではありませんが(笑)販売経験は日本で結構あったので、 希望職種にたどり着くまでのとりあえずの仕事としてはじめました。

この仕事をしてあらためて感じたのは、日本とイタリアの店員の態度の違いです。 イタリア旅行で買い物をしたことがある人なら多少なりともおわかりかと思いますが、 こちらの店員は日本のそれのようにバカッ丁寧でもなければ、客が一番なんていう考えもありません。 もちろん、ル●●ィトンや●ッチのような高級ブランド店ならそれなりに丁寧になりますが、 中堅以下の価格帯の店の場合、日本でのショッピングと比べてがっかりすることも充分あります。

冬のある日、セールが始まった最初の日曜日に、私も休日を利用してアントと一緒に買い物に行きました。 大型ショッピングモールの中にはいろいろな店が並んでいるのですが、 シャツ専門店で有名な、ナ●●●ーチェの対応は、なんともひどかった!
まず店内には店員が二人だけ。いっぽうお客さんは年配の女性が3組ほどいて、ひとりの店員がその対応をしている。 もう一人の店員はというと、電話中。私はほしいシャツの候補があったのでサイズを出してもらいたかったのですが、 接客中の店員はすでにいっぱいいっぱい。しょうがないので、アントと店内でぼけーっと待っていました。
しばらくして、もうひとりの店員が電話を終えて私たちのところへ、むちゃくちゃ不機嫌そうな顔でやってきました。 私が「そこのシャツなんだけど・・・」と言いかけると、私の質問が終わる前に振り返って棚を開け、 「何サイズ?」と、後ろむきのまま聞いて来ました。「1か2だと思う」というと、 サイズ1のシャツをテーブルの上に広げ、商品の説明をするでもなく、あっちのほうを向いている。 「Posso provarla?(試着してもいいですか?)」というと、店員は眉間にしわをよせて「Scusa?」ときた。 私の発音が悪かったのかよ、すいませんねぇ。でもせめて「Scusi」って敬語使ってほしいんだけど。 くいさがってもう一度「Posso provare questa?」というと、 今度は無言のまま試着室のドアを開け、去っていってしまいました。なんやねんっっっ!!

とりあえず怒りをおさえて試着。ちょっと大きめのような感じがしたのでアントに聞いてみると、あの店員参上。 サイズが一番小さいものであること、このモデルは身丈が長めなこと、洗ったあと多少縮むことなどを確認すると、 これについてはとりあえず答えてくれました。
結局そのシャツを買うことにしたのですが、この店員、商品をどうしたかというと、私が試着したあとに手渡した状態を無造作に四つ折りにして、 そのままビニールの袋にぐしゃっとつっこんで「はいよっ」とテーブルの上をすべらせたのです。 「えっ、たたまないの?!」声には出さなかった、いや、今思うと言ってやればよかった。 この状況を信じられず、アントに小声で「見た?」と聞いたのですが、彼は何もわかってない様子。 私は「Grazie. Mooooolto gentile.」とイヤミたっぷりに挨拶して店を出ました。

アントにあらためて状況を説明し、この店員がいかに不親切、テキトーであるかを主張したのですが、 なんとアントは「電話してたの見ただろ?何かトラブルがあったのかも」 「セール中の日曜日に働いているんだから可愛そうじゃないか」って・・・。オイオイ。
電話だかトラブルだかなんだか知らないけど、客の前でそれを言い訳に態度が悪いってのはプロじゃないぞ。 セール中に働いているのは他の店の店員も同じ。私だってクリスマス前に殺人的なシフトで働いたけど、 お客サマにあんな態度をしたことは一度もありません。 彼女は今まで私が会った中で最も態度の悪い店員と言えるかも。
でもこの店、夏のセールのときに行ったときは、すごく感じのいい若い店員もいたんです。 同じ店でも店員次第でこんなにイヤ〜な思いをするものなのかと、がっかりしました。 ちなみに同じブランドの店がドゥオモ広場に面したところにもありますが、ここの店員も最悪。

逆に、接客がきちんとしている店ももちろんあります。 たとえば、Sisley、Max Mara、Furla、Fiorucci、Sephoraなどなど、高級店でなくても態度のいい店員はいるのです。 私のもと職場もそうだと言えます。たま〜に同僚の対応に「えっ、それでいいわけ?!」と疑問を感じるものの、 基本的には丁寧接客です。 大声で喋りまくりながら商品をグチャグチャにする中国人にも、買う気などないのに何枚も商品を広げさせるシニョーラにも、 時間がないと会計をあおりたててる日本人にも、内心うんざりしながらも、表面は笑顔で接客するのです。

日本人がミラノの店で買い物をするときにヒドイ対応を受ける理由がいくつか思い当たります。一般的な店でしてはいけない(と私が思う)ことを挙げてみます。
  • 店員にことわりもせずきれいに陳列された商品をいじる。
    日本では普通のことかもしれませんが、これはいただけませんね。
  • 「集合時間まで○分しかないから急いで」とせかす。
    それまでのーんびり店内をぶーらぶーらしてたのに、いざ会計となるといきなりせかす。
    しかもクレジットカードの暗証番号を聞かれ、そんなもの知らないと開き直る。 今じゃICチップ付きのカードを使うときは常識なんだけど、それも知らずに逆ギレする。勝手だね。
  • 値引きをしつこく頼む。
    メルカートやバンカレッラ(露店)ならともかく、チェントロの店で値引きを押し通すのは迷惑です。 安く買いたいのなら免税を利用しましょう。 よく「値引きの交渉は商人魂」なんて言う人もいますが、これが通用するのは南イタリアであって、ミラノではまず嫌われます。
  • 口のあいたジュース類やジェラートなどを持って入店し、商品をさわりまくる。
    まずは入口で断るのがマナー。
  • 閉店時間を気にせず買い物をつづけようとする。
    残業嫌いなイタリア人店員を家に帰してあげましょう。
  • 開店直後にやってきて絵はがき1枚を買い、50ユーロ札で釣りをくれという。
    しかもそれがグループで全員が同じことをやったりすると、店員も黙っちゃいません。
    小銭を作りたいのはわかるけどね、店も釣り銭が必要なんっすよ。
と、思い当たるのはこれぐらいですが、要するに店員の側になって何がマナー違反なのかを考えればいいのだと思います。 店に入るときに店員に挨拶をするとか、言葉がうまく通じなくてもなんとか努力する姿勢を見せるとか、日本人なんだからそういう謙虚な態度は得意なはずですよねぇ。 「自分は客だから神様なのよ」なんていう態度は、高級ブランド店で何十万円も買い物して商品は滞在している5つ星ホテルに送らせる、という人にまかせておきましょう。
一見冷たそうなミラネーゼでも心を開いてくれる店員はいるものです。それもこちら側の態度しだい。うまくコミュニケーションをとって楽しく買い物をしましょうよ。

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