Regalo、ミラノでの暮らし、イギリス留学、海外旅行、香水
  イタリアの結婚式-当日編
5月15日、いよいよ結婚の日。 前日はかなり荒れた天候で、大雨のせいで水はけの悪いペスカーラの街は水たまり(というか湖)だらけになってしまいました。 私は天気のことが心配なのと緊張であまりよく眠れませんでしたが、朝窓の外を見るときれいな青空が広がっていたので安心しました。
午前8時、知人の女性の車でヘアメイクのためにリハーサルをしたサロンへ。 今日こそはあんな濃いメイクではなく、ちゃんとした顔にしてもらいたいものだ。
でもやっぱりできあがったその姿は、うーん...。もういいやっ!となかばあきらめ。 鏡の中の私は、首から上だけがすっかり花嫁モードだけど洋服はカーディガンにジーンズ&スニーカー。 かなり笑える状態だけど、とにかくドレスを着るためにアパートに帰らなければ。 サロンを出ようとしたら、お客さんたちに「Auguri!」と声をかけてもらえました。 照れながら「Grazie!」と挨拶して、車にのりこみアパートへ。

時間がないというのに写真とりまくりアパートのドアを開けると、居間に人がいっぱい! びっくりして誰が誰だかよくわからないまま、ドレスのある寝室へ入っていきました。 Theresaに手伝ってもらってドレスを着る。このドレス、うしろのボタンがすべてホンモノです。 よくある市販のドレスはボタンがついていても飾りだけのイミテーションだったりしますが、 こだわりのある彼女がくるみボタンを20個ちかくつけてくれました。 ホントのボタンだからもちろんすべて閉じなければならないんだけど、これがひと仕事です。 レース編み用の針でボタンループをひとつずつすくって、直径1cmもないボタンにひっかける。 Theresaは辛抱強くそれをすべてやってくれました。
何度もくりかえし「Beautiful!」というTheresa。 ヘアメイクの出来にかなり不満だった私ですが、彼女の言葉はとりあえずこの日は素直に喜ぶことにしました。 これもすべて、何ヶ月にもおよぶTheresaの助けがあったからこそ。感謝感謝です。

準備がおわり居間へ出ると、写真撮影会のはじまりです。
友達や両親、アパートを貸してくれたAlessandro親子とその親戚・友人、カメラマン... いろんな人が写真をとりまくる。ゲーノー人の記者会見みた〜い(笑)
居間にはそんなみんなのためにSuocera(義理の母/アントのマンマ)が準備してくれたお菓子がたくさん並んでいました。 結婚式に来てお祝いしてくれるゲストのための、手作りのおもてなしです。 damigella(花嫁の付き添いをする女の子、リングガール)をしてくれるFrancescaと一緒に写真をとったり、 アルバム用にポーズをとって写真をとったり、これが結構はずかしいのなんの。
ふと時計を見ると、すでに挙式開始予定時間! でもみんなは「いいのよ。花嫁はいつも遅れて登場するものなの。」とのんびり。 ひとしきり撮影がすんで落ち着いたころ、誰かの「Andiamo!」という合図でみんながぞろぞろとアパートを出ていきました。 私は父と腕を組み、Francescaにドレスの裾をうしろから持ってもらいながら階段を降りていきました。 この階段にもリボンの花飾りが。これもSuoceraが手配して、前日フローリストの人が飾ってくれたものです。 アパートのお隣さんも日本人の花嫁に興味があるのか、家族総出で玄関からお祝いしてくれました。
アパートの階段をおりて建物の外に出ると、んっっっ?!何だこれは?ゴール??? 友達が出口の両脇に立ち、間には白いリボンが横に渡してあります。 あぁ!ゴールじゃなくて、テープカットなんだ!!
知らなかった...またもやSuoceraが私にナイショでTheresaや私の友達と打合せしておいたらしい。 Francescaが手渡してくれたハサミでテープの真ん中をカット。一同拍手〜。
これも南イタリアの習慣だそうです。地域によると思いますが、Pescaraではこうするそうです。
アパートの前にとめられたジャガーに両親と一緒に乗り込み、友達はそれぞれの車でComuneへ移動です。

ジャガーがPescaraのComune前に到着すると、すでに広場にはたくさんの人が集まっていました。 Comune入口の階段の前に、アントとSuoceraが一緒に私たちの到着を待っていました。 Suoceroはビデオカメラをかついで撮影係。 あ〜、やっとアントに会えたよぉ〜。なんかめちゃくちゃ安心。 何枚か記念写真をとったあと、ぞろぞろとComuneの中へ。
式が行われる広間には、アントと20年来の友達である市議会議員のMaurizioが、3色のたすきをかけて待っていました。 真ん中に私とアント、私のための通訳Pietro、その両脇に立会人のTheresaとAriちゃん。 一列に並び、招待客もみんな広間におさまったところで式がはじまりました。
まずMaurizioがこの結婚式を挙げるにあたって、若い頃にアントとすごしたときのことなどを振り返り、 そんな級友の結婚式に立ち会えるということを喜んでくれました。
あとはお決まりの婚姻に関する条項が読み上げられました。 今だから正直に言いますが、せっかくPietroに通訳してもらったものの私は無性に退屈で眠かったので、 その半分ぐらいはよく分かってなくて、おぼえてません(笑) でもこの条項は事前に日本語訳されたものを読んで知っていたので大丈夫です。 最後に誓約をして、指輪の交換。これがまたなかなかハマらなくてアントが焦ってました。
ちなみにこの結婚式は、新郎新婦がイタリア人と日本人、立会人がアメリカ人と日本人。 さらに招待客にはイギリス人やブラジル人がいるという何ともInternationalな結婚式で、 Maurizioもびっくりでした。
市役所といえど雰囲気は充分あります 式が終わったあと、みんなはぞろぞろと外へ。私とアントはComuneのバルコニーや階段で記念撮影。 外に出ると、みんなからのライスシャワー&フラワーシャワーのお祝いが待っていました。 子供たちが調子にのって米を投げ付けてくるので、せっかくセットした髪も、 ドレスの中までも米まみれになってしまいました。
しばらくComuneの前でわいわいと写真をとったりお喋りしていたりしましたが、 お客さんたちはレストランへ、私とアントとカメラマンさんは海辺へ写真撮影に移動です。
この招待客の大移動は、それぞれの車でパレードのように連なって移動します。 車で15分ほどにあるレストランへ向かうときに、このパレードから迷子にならないように、 車のアンテナの先にリボンの飾りをつけます。 これはイタリアの結婚式でほとんど必ずといっていいほど見られるものです。 イタリアで車の運転をされる方は、どこかで見たことがあるのではないでしょうか。 このリボンを目印に前の車についていけば、道を知らなくてもレストランまで行けるわけです。

ペスカーラは海に面している街なので、海をバックに写真をとろうというカメラマンに連れていかれました。 とにかくいいお天気だったので、空の青さがきれいです。
縁起がいいということで、船にのせられて写真撮影海岸沿いを歩いていると、ある船の上のおじさんに声をかけられました。 おじさんは、船は縁起がいいんだから、この船に乗って写真撮ったらどうだ、という。 あはは、冗談でしょ〜と笑っていたら、いつのまにかアントにだっこされ、船に乗らされていました(笑)
そして写真撮影...。カメラマンの「笑って笑って〜」にはもう疲れた。写真はもういいから、みんなのいるレストランへ行こうよ〜。
カメラマンにいろいろポーズを取れと催促されましたが、さすがにタイタニックはしませんでした。

となり街のChietiのレストランに到着すると、すでにみんなお待ちかね。 私たち二人が来ないとビュッフェが始まらないとは知らなかった! あわただしく中庭のメインテーブルに移動し、アントの挨拶のあと乾杯しました。
待ってましたとばかりにみんなはお皿片手に料理をとりに行きましたが、 日本人ゲストには「メインのコースがすごい量だから、ビュッフェはできるだけ食べないで」とアドバイス。 でも並んでいる料理はどれもおいしそう〜〜〜。
歓談している間に、5人ぐらいずつのグループになった招待客と、またもや記念撮影。 ホントに、写真とりまくりの1日です。私は「記念撮影」じゃなくて、みんなの自然な姿を撮ってほしかったのになぁ。

室内に移動していよいよメインの食事のはじまりです。 ここからは日本の披露宴と同じようなものですが、全然かしこまった雰囲気はありません。 おじさんやおばさん達は歌ったり踊ったり。飲んで食べて笑って...とにかく楽しんでます。 私とアントはテーブルをまわって挨拶したり、写真をとったり、時々食べたりしてました。
終盤には、アントの妹さんからのサプライズ・プレゼントやケーキカットがありました。
このケーキカット、いやー、二人して青ざめましたわ。
試食会で「ケーキはとにかくシンプルにね」とお願いしてあったにもかかわらず、 おごそかな音楽とともに登場したケーキは、なんと巨大なピサの斜塔のオブジェつき(笑) 私の頭の中は「なんでピサの斜塔やねんっ!」そしてアントの顔はもろに怒りそのもの。 すぐ近くにいる支配人にアントが「どういうことだっ!」と尋ねると 「新郎のお母さまからのリクエストです」と...。
アントがマンマをにらむ。私はとりあえずアントの背中を「どうどう」となだめるしかありません。 そのうち様子が変だと気付いたアントのマンマが、近くへ寄ってきました。 アントが怒りを押さえつつ話を聞いてみると、マンマはこう言いました。
「ヤスコはピサが好きなんでしょ?ロンドンから冬休みに遊びにいって気に入ったんでしょ?」
「...マンマ、それはピサじゃなくてシエナだよ(怒)」
「あらっ。でもピサもシエナも一緒じゃない。私は何もないよりいいと思ったのよ〜」
「ピサとシエナは別モノだろうが!余計なことするなよ!」
「私たちはよかれと思ってお願いしたのに〜」
「だいたい斜塔はないだろうがっ。傾いてるじゃないか!オレたちの将来は傾いちゃうのか?!」
私は二人の間で、つくり笑いをしながらこのやりとりを聞いていたら怒る気がなくなっちゃいました。 Suoceraって嫁ぐものとしてはどうしても気になる存在だけど、 私にとっては、とても優しい2人目のおかあさんです(いつもほんとによくしてもらってます)
そういうわけで、ケーキカットをしているときの写真を見ると、アントの表情はかなりカタイです。
そしてロゼのスプマンテで乾杯。デザートにケーキとマチェドニアとコーヒーが配られ、 やっと食事が終了です。

食事が終わると自然とゲストが少しずつ帰りはじめるので、 私とアントは入口に立って帰ってボンボニエレを手渡して挨拶です。
最後のゲストを見送ったときは、すでに夜7時をすぎていました。 この時点で二人ともぐったり疲れ果てていたことは言うまでもありませんね。 イタリアの結婚式は長いというのは覚悟していたけど、こんなに疲れるとは...。
すべての片づけが済んでレストランを出て駐車場へ行くと、車の中にたくさんの白い風船が! 最後の最後までサプライズが好きらしい、イタリアの結婚式でした。

ちなみにこちらは翌日の新聞 Abruzzo Oggi Messaggero Abruzzo です。
ペスカーラではほんのちょっと有名になった私たちです(笑)


Regaloのトップページへ Vivere a Milanoのページに戻る エッセイのページに戻る このページを閉じる
    Copyright(C)since 2002 Yasko All rights reserved.